発達障害の療育の種類と内容
2018-03-19 更新

はじめに
発達障害を抱える子供たちが、居心地の良い環境で自分らしく生きるためには、「早期発見、早期療育」は何よりも大切なことです。子供が抱える障害を正しく理解して、早くから適切な教育を行うことで、子供の持つ可能性は大きく広がります。ここでは発達障害の子供たちへの療育について、その種類と内容を説明していきます。

療育の目的について
「療育」というのは、知的障害や発達障害を抱える子供たちの精神的、身体的な機能を出来る限り伸ばすことを目的とした治療教育のことです。発達障害を抱えている子供たちの多くは、自らの障害が原因で他人とのコミュニケーションが上手くいかなかったり、集団行動に馴染めなかったりといった問題を抱えています。
こうした“生きにくさ”を感じて生活している子供たちにとって、出来るだけ早い段階で障害を見つけて適切なトレーニングをスタートする早期発見、早期療育は、集団行動や社会生活における適応力を高めるのにとても効果的です。
もちろん、発達障害は子供によって特徴の表れ方が大きく異なるため、療育の内容も人によってさまざまです。その子供に合った目的や目標を設定し、子供の個性を尊重しながら長期的に行っていくのが、望ましい療育です。
療育の種類について
発達障害を抱える子供の苦手な部分の成長をサポートする「療育」ですが、その種類や方法は実にさまざまです。なぜなら、発達障害は子供によって特徴の表れ方が大きく異なるため、その子供の個性や苦手な部分に応じたプログラムを選ぶ必要があるからです。では、療育にはどのような種類があるのでしょうか。代表的な療育は次の3つです。
- 【TEACCH(ティーチ)】
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「Teaching. Expanding. Appreciating. Collaborating & Cooperating. Holistic」の略で、主に自閉症の子供たちが過ごしやすい環境を、目的別に設定するアプローチのことです。
例えば、勉強机=勉強するときのもの、食卓=食事のときに使うもの、といったように、「ひとつの物に対してひとつの動作」を設定することによって行動を分かりやすくします。また、写真やカードなどを使って1日のスケジュールを視覚的なものに変えたりと、必要な行動に対する道筋を分かりやすく提示し、生活しやすい環境を整えていきます。 - 【SST(エスエスティー)】
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「Social Skills Training」 の略で、集団生活で起こりうるさまざまな場面についてロール・プレイングを行いながら、対応の仕方を学んでいく生活技能訓練です。人との関わりにおいて、自分の気持ちや要求を相手に正しく伝えたり、相手の言葉にきちんと対応したりすることで、集団生活に適応する力を身につけていきます。
- 【作業療法(OT)】
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「Occupational Therapy」の略で、簡単な体操や歌、手先を使う作業(手芸など)などを通して、運動機能や精神機能である「基本能力」、食事やトイレなどのように生活に必要な活動である「応用能力」、集団生活に入っていくための「社会生活適応能力」の、3つの能力を高めていきます。
上記の他にも療法の種類はさまざまです。数ある療育の中から、適した療育を選択することが重要になります。しかし自分の子供にどの療法が適しているか、親御さんだけでの判断は難しいもの。まずは療育を行なっている医療機関や支援センターに相談して最適な療育を見つけていくとよいでしょう。
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